ここでは、精神科訪問看護師について解説します。精神科訪問看護の対象になる疾患や働くために必要となる資格などについてまとめました。やりがいも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
精神科訪問看護とは、精神障害を持つ人が自分らしい生活を送ることができるよう、長期的な視点でサポートを行うものです。具体的な業務内容としては、内服管理や通院サポート、精神状態の観察など日常生活を送るためのサポート、セルフケアの自立支援、就労支援や家事・外出支援などの社会復帰サポート、社会資源の活用援助や家族の精神的支援などのサポートなどが挙げられます。
精神科訪問看護師と一般的な訪問看護師との違いは、医療処置が少ないという点です。心のケアが中心となるため、入浴介助などの身体介助はほとんどありません。コミュニケーションが中心となり、じっくりと対話をしたり一緒に散歩へ行ったりなどのケアも可能です。
高次脳機能障害など脳の損傷によって起こるなど、身体状態が原因で起こる精神疾患のことです。計画を立てたり計画通り進めたりするのが難しくなる遂行機能障害や、自分の言動を制御できなくなる社会的行動障害などが挙げられます。
精神的ストレスやトラウマ、社会的要因によって起こる疾患です。
はっきりとした原因が分かっていない疾患を意味しており、統合失調症やうつ病、双極性障害が該当します。
統合失調症は妄想や幻聴などの陽性症状、陰性症状や認知障害が起こるもので、見たり聴いたりしたものがうまく理解できません。うつ病は気分が落ち込む、やる気がなくなる、空虚感がある、興味・関心を失ったりするのが症状として現れます。双極性障害はうつ状態・そう状態を繰り返すなど両極端な状態が現れるものです。うつ病と診断されることもありますが、治療法が異なります。
内因性疾患は、薬物療法による効果が期待できます。
持って生まれた特性である精神発達遅滞や自閉スペクトラム症などが挙げられます。
精神発達遅滞は知能指数69以下で認知や言語、運動などの能力に障害がある状態です。状態に応じて軽度から最重度まで段階分けされており、知能指数50~69は軽度に分類されています。
自閉症スペクトラム症は対人関係が困難だったり、強いこだわりがあったりする発達障害で特定の音や光などに過敏、または鈍感である場合があります。
これらの疾患は発症者間で症状に差があるため、本人の特性に合わせて個々に合わせたコミュニケーションの練習、社会参加、ルール設定などの支援を行います。
アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症や拒食・過食などの摂食障害、感情の障害や衝動コントロールができないなど社会と繋がる機能に障害が起こっているパーソナリティ症などが該当します。
精神科訪問看護師は、病院やクリニックで働くのと比較して1人ひとりの利用者とじっくり向き合うことができます。自分が関わることで生活が整い、表情の変化や外出の回数増加、会話内容が前向きになるなど小さな変化を重ねて、セルフケアや服薬管理、就労再開など少しずつ回復していく姿を間近で感じることができます。
また、利用者の家族とコミュニケーションを取り身体的な不安や経済的な不安などをサポートすることで家族の精神的な悩みや不安を軽減することができ、強い信頼関係を築くことができるのもやりがいとなります。
利用者と医療、福祉、地域を繋ぐのも大切な仕事です。精神疾患を抱える利用者が安心して生活できるよう、医師、地域包括支援センター、ヘルパー事業所、担当保健師などと連携し、中心的な役割を担うことで利用者の生活全体を支えることができます。
精神科訪問看護師で働くには、看護師免許または准看護師免許が必要です。精神科の勤務経験がなくても働くことはできますが、応募条件には一定の勤務経験があることを求めるものが多くあります。
精神科訪問看護は医療面でのサポートが主な業務となるため、看護師・准看護師の資格は必須です。
精神科未経験の看護師が精神科訪問看護基本療養費の届出要件を満たすために受講する研修です。全国各地で開催されており、オンライン受講ができるものもあります。所要時間は21~23時間程度で、以下のような内容を学びます。
基本的には精神科で勤務していた経験がなくても、看護師・准看護師免許があれば働けますが、応募条件として精神科での勤務が一定年数あることを設定している事業所もあります。訪問看護事業所はサービス提供時に精神科訪問看護基本療養費と呼ばれる診療報酬をもらえるのですが、その条件として精神疾患患者看護の相当の経験を持つこと、という条件があるためです。具体的には、下記いずれかに該当することが求められます。
精神科での勤務経験がない看護師を採用すると診療報酬が受け取れないことから、未経験者が求人に応募しても採用してもらうのは厳しいと考えておきましょう。
千葉県内718の訪問看護ステーション*の内、
複数拠点**を展開する「安定した経営基盤」と「教育制度**」を持つ訪問看護ステーションの中から
叶えたい働き方に合うステーションをそれぞれ紹介します。



■ 注釈
*2026.2.9時点、「厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索(千葉)」で「千葉県」「訪問看護」と絞り込み検索をしヒットした718ステーション
**1~2拠点のステーションの場合、家族経営など属人的な運営も含まれる可能性があるので、最低でも『千葉県内3拠点以上』を展開する15の訪問看護ステーションを調査。その内14ステーションが教育制度があると記載。